grand7 fish book in Palau

パラオで見られる魚のことを書いています

ニードルスパインコーラルゴビー オス婚姻色

ニードルスパインコーラルゴビー

パラオの固有のコバンハゼの仲間です。

くすんだ黄色で、針のように伸長した背びれがポイント。

尖がってるのは背びれだけで
あとは、コバンハゼらしい、ずんぐりむっくりした可愛らしい体系


サンゴの間に隠れてしまい
なかなか全身あらわしてくれず

いるんだけど、紹介しづらい・・・
そんなことが多い、泣かせてくれる子達なのですが


この日は、ババーンとサンゴの上に堂々と。
しかも、お腹ポンポコリン!!

産卵を控えたメスですね。



観察していると、ある個体と一緒に行動していまして・・・

ん??
なんだ・・・黒いぞ。

形はニードルさんですけど、色が全然違う・・・。


黒いコバンハゼの仲間は、この辺りで
イチモンジコバンハゼやマルーンコーラルゴビーが見られますが

イチモンジコバンハゼは、背びれがこんなに伸長しません。
マルーンコーラルゴビーは、目を通るようにラインが入ります。



しかも、一緒に行動しているってことで

この子は・・・

ニードルスパインコーラルゴビーオスの婚姻色

よく見ると、顔周りは黄色っぽさが残っていますね


見事なほど、ヒレは真っ黒!!

こんなに黒くなるなんて、知らなかった!

すごいなー。
違う魚かと思った!!



卵は、サンゴに産み付けをします。

オスがサンゴを一部ガジガジかじって、
卵を産み付けられる場所をつくります。


メスが卵を産み付けたら、オスが放精して
孵化するまで、そこに寄り添い、お世話するのです。


メスは、また次の卵を産むエネルギーを蓄えるべく
お食事に励みます♪


この日は、満月前の半月ー3日
この日か、翌日か、卵を産み付けして
おそらく1週間ほどで孵化。
満月前に孵化かなぁ。


このカップルを撮影したのはとある内湾ポイントなのですが、
桟橋下で観察しているニードルさんも
満月周りで卵産み付け、孵化を繰り返していることが多いです。

もちろん、違う子もいますが。



魚には、月が分かるのねぇ。
と、こういう時にしみじみ感じます。


面白いなぁ。



私たちにも、もともとはきっと
月を感じる力が、もっともっとあったのでしょうね